自分の理想を形にする為に「注文建築」を検討している方も少なくないでしょう。しかしその魅力の一方でデメリットもまた存在します。今回は注文建築のメリットとデメリットを具体的な事例を交えて紹介します。この記事を読んでいただければ注文建築とはどのようなものか、それがあなたにとって最善の手段なのかを知っていただけます。ぜひ最後までみてみて下さい。
注文建築のメリット
- 高いカスタマイズ性
注文建築の最大の魅力は、自由な設計が可能な点です。例えばある家庭では、自宅で楽器を練習する為に防音設計にしり、また別の家庭ではペットとの生活を快適にするために、ペット専用のスペースを設けたりと、それぞれのライフスタイルに合わせて自由に設計することができます。 - 自分に合った素材を選べる
注文建築では、自分たちの好きな素材を選ぶことができ、その選択が家全体の品質に直結します。例えば床材に無垢材を選ぶ事で自然の温もりを感じられ、高い耐久度を実現する事ができます。珪藻土や漆喰を壁の仕上げ材に選ぶことで自然な調湿、消臭効果を得ることもできます。 - エネルギー効率
注文建築では、最新のエネルギー効率の高い設計や設備を選択することもできます。太陽光発電や蓄電池、地熱発電などの再生可能エネルギーを利用したり、夏は日射を遮って冬は多く取り入れたり、風の流れを計算して窓を選択することによって自然のエネルギーをうまく使うことによって電気代を抑えることも可能です。 - 将来の事も考慮したプランニングも出来る
家は3回建てないと満足できない。もしかしたら耳にしたこともあるかもしれないワード。
生活は歳を重ねることにより家に求めるものが変化していきます。子どもが生まれる前、幼少期、中学校〜高校生、子どもが独立した時など。1階に多目的な部屋を設けることによって最終的には1階で全てを完結できるようにしたり、こども部屋をゲストルームや趣味の部屋に簡単に変えられるようにしたりと自分たちの生活の変化も考慮した家づくりができます。 - 感情的な価値
自分だけの家を建てることは、人生において大きな経験であり、その達成感と満足度は計り知れません。自分だけの家を建てるということは、自分自身の人生観を体現するものであってその喜びは何ものにも変え難いです。私のお客様も本当に楽しい時間でまた建てたいとおっしゃる方もおられるぐらいです。
注文建築のデメリット
- コストと時間
注文建築の最大のデメリットは、コストと時間です。自由に選択できる反面、その選択肢の多さから打ち合わせ期間が長くかかることもあります。私が担当させていただくお客様の平均は着工まで7〜10ヶ月、完成迄の期間も含めると11~14ヵ月。もっと長く打ち合わせをする場合もあり、また、完全に企画化された間取りや建築材料、設備を扱う建売や企画型住宅に比べて費用は高くなります。 - 設計の難しさ
自分だけの家を設計するということは、その分、自分達のライフスタイルをよく理解し、どのような家が適しているかを深く考えなければならない可能性があります。その中でプロに相談し、提案をもらいながら最適な設計を目指していきます。設計士のコミュニケーション能力と設計力が試されます。 - リセールバリュー
自分たちに合った家を作るため、他人のニーズに合わない可能性が高くなり、その結果、リセールバリュー(再販価値)が下がる可能性もあります。 - 土地が見つからない
土地をすでに持っている方は良いですが、土地から探すとなると非常に大変。建築条件の無どこの建築会社でも建てられる土地は割高か条件が劣る可能性が高くここが最も苦労するポイント。私の元に土地探しの相談に来られた方で10年土地を探しているとおっしゃっていた方もいたぐらいです。
まとめ
注文建築には自由な設計、高品質な素材の選択、エネルギー効率の高い設計や設備、将来のライフステージに合わせたプランニング、そして感情的な価値といった多くのメリットがあります。それぞれのライフスタイルに合わせた家づくりが可能で、一生に一度の大きな達成感、喜びを得ることができます。
しかしながら、その一方で注文建築はコストと時間が多くかかることと、設計の難しさ、リセールバリューの低下といったデメリットもあります。これらのメリットとデメリットをしっかりと理解し、自分たちにとって最適な選択をすることが大切です。
注文建築は自分だけの理想の住まいを実現する絶好のチャンスですが、人生にの大きな選択を前にしっかりと自分のライフスタイルや価値観を見つめ直して最良の決断をして下さい。
あなたに合った最高の家を実現していただける事を心から願っております。
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